ID : 4914
公開日 : 2007年 10月 6日
タイトル
個性”生かした植林・森林保全活動
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新聞名
フジサンケイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/for-page/kiki/200710080002o.nwc
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元urltop:
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写真:
 
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□“個性”生かした植林・森林保全活動
 CSR(企業の社会的責任)という言葉が7~8年前からよく使われるようになった。しかし、創業以来、業態を生かした社会貢献活動に地道に取り組んでいる企業は多い。まさにそれこそCSRである。CSRという言葉が 先行し、何かをやらなければならない、そんな思いが“会社の個性”をなくしてしまってはいないだろうか。CSRにも実態に合った等身大の活動が必要だ。
 そんな中、JT(日本たばこ産業)はCSRについて、本業、地球環境活動、社会貢献活動の3つの分野の取り組みに分け、JTならではの活動を展開している。社会貢献活動の中でも特に力を入れているのが植林・森林保 全活動「JTの森」だ。最近の活動を紹介したい。
 ■アフリカのタンザニアでも
 いま、たばこ、医薬、食品を3本柱としてグローバルな事業展開をしているJT。たばこ事業では葉タバコ、食品事業では野菜、茶葉などを利用、いわば自然の恵みによって事業が成り立っている。
 こうした事業特性を踏まえ、「事業を支える自然への感謝や企業の社会的責任の観点から、ここ2~3年、植林・森林保全活動に力を入れている」とCSR推進部長の篠原政美氏。
 国内では現在、和歌山県田辺市中辺路(なかへち)町、山梨県北都留郡小菅(こすげ)村、高知県安芸郡奈半利(なはり)町の3カ所の「JTの森」で、植生に合わせた植林・森林サイクルの再生を目指している。11月から は鳥取県でもスタート。2008年には7カ所に拡大する予定だ。
 海外では、アフリカのタンザニアとマラウイで植林・森林保全活動を展開している。両国はアフリカでも有数の葉タバコ産地で、JTグループとは密接な関係にある。特にタンザニアは、JTの工場もある。07~10年まで の4年間で2カ国合わせて7地域8000ヘクタールに1600万本の植林をする計画だ。同時に「潅漑(かんがい)用の簡易ポンプの提供や井戸の改善などを予定している」という。
 ■地元住民と一体となって
 植林・森林保全活動には、JTグループの社員とその家族、さらに地元の行政、森林組合、ボランティアなどこれまでに延べ1500人が参加している。
 国内の森林サイクルは約80年といわれる。森を育てていくためには、植林だけでなく、下草刈り、間伐などが必要で、植林をするだけでは森林の再生にはつながらない。JTでは、現地の植生に合わせた森林サイクル の再生に取り組んでおり、それが地元住民からも共感を得ている。
 たとえば前述の中辺路では、適地適木を考慮し、モミジなど広葉樹の割合を増やして経済林としての機能を残しつつ、環境林の要素を重視。05年から5年間で約18万本の苗木を植林し、森林保全活動を10年間続け る。
 小菅では、東京都の水源林の一角に位置することから針葉樹を間伐し、保水力が高い広葉樹を植え、「混交林づくり」を目指している。活動は5年間にわたり展開される。毎回、活動実施後に社員や家族、地元住民にア ンケート調査を実施。ほぼ全員から「参加してよかった」「また親子で参加したい」という回答が寄せられているという。
 ■ファンづくりにひと役
 JTは05年、民営化20周年を迎えた。それまでも植林・森林保全活動を行ってきたが、「JTの森」として本格的に取り組むようになったのはこの年からだ。一般的に、植林活動などを支援する地元企業が多い中で、「当 社のように全国で活動を展開する企業が、地元とコミュニケーションをはかりながら植林・森林保全活動を推進しているケースは珍しく、当社のファンづくりにも結びついている」と篠原部長。
 社会貢献活動として、社会福祉、被災地支援、文化・芸術支援などにも地道に取り組んでいる。
 木村宏社長が常々語っていることは、「当たり前のことを当たり前に愚直に取り組むことが大切」ということだ。こうした社風が、喫煙場所がどんどん削減される逆風のなかでも、JTの企業価値、ブランドアップに着実に 結びついている。