ID : 4940
公開日 : 2007年 10月10日
タイトル
木材原料バイオエタノール販売開始 いぜん製造コスト高
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新聞名
フジサンケイ
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元URL.
http://www.business-i.jp/news/ind-page/news/200710100004a.nwc
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元urltop:
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写真:
 
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建設廃材や木くずなどを原料とするバイオエタノールを混ぜた「バイオガソリン(E3)」の販売が9日、大阪府下の2ガソリンスタンドで始まった。環境省の委託で大阪府が進めるエコ燃料実用化実証事業で、 木材が原料のバイオエタノールの商業化は世界初。
 一方、石油業界は別方式のバイオガソリン販売を4月からスタートさせており、販売は軒並み好調。とはいえ2つの混合方式が並立するうえ、バイオエタノールの大半は輸入頼りで製造コストもガソリンよりはるかに高い 。ガソリン代替燃料として本格普及するには、いまだ課題が山積している。(今井裕治)
 ≪登録車のみ≫
 大阪府下のスタンドで販売が始まった「E3」は、当面、地元企業や自治体など登録車101台のみの供給となる。ただ来年度以降は一般にも販売する計画という。
 エタノールは、大成建設などが出資する「バイオエタノール・ジャパン・関西」(堺市市)が生産。廃材などの糖分を発酵させてエタノールを取り出し、ガソリンに直接混合して使用する。将来的には、年間4万7000キロリ ットル規模のバイオガソリンを販売する考え。大阪府地球環境課は「間伐材なども利用でき、食料に影響を与えないのがメリット」と強調する。
 ≪2方式が併存≫
 バイオエタノールの混合法には2種類が存在する。大阪府で売り出されたのは環境省が推進するガソリンにエタノールを3%直接混合する「E3」。一方、石油業界はバイオエタノールを加工した添加物「ETBE」をガソリ ンに7%混入したタイプを販売する。
 石油業界は4月末に「バイオガソリン」の試験販売を開始。首都圏50カ所の元売り各社のスタンドで販売を行うが、環境意識の高いユーザーに評価を受け、月間累計1万キロリットルが売れている。新日本石油では「環 境に優しいという話を聞きつけバイオガソリン目当てに買いに来る顧客がいる」(販売店)というほど。
 ≪輸入頼り≫
 ニーズは着実に高まってきたが、普及に向けての課題も山積する。最大の問題は混合するバイオエタノールの調達だ。
 政府は10年度までにガソリンなど輸送用燃料50万キロリットルを石油からバイオ燃料に切り替える方針を打ち出し、うち21万キロリットル分を石油業界に割り当てた。石油業界はバイオガソリンで目標を達成する計 画としているが、原料調達は輸入に頼らざるを得ない状況。輸出余力があるのは今のところブラジルくらいだが、ブラジルも内需の拡大に伴い供給が不足し始めている。
 コストも割高。エタノールの熱量はガソリンに比べ6割ほどで、ガソリンと同水準の出力を得るには1リットルあたりの輸入価格が20~40円割高になるという。補助金により試験販売期間は価格はレギュラーガソリンと 変わらないが、10年度に予定される本格導入の段階では販売価格が割高となる可能性もありそうだ。
 さらに2つの方式が併走する中、普及が進めば消費者の混乱も避けられない情勢にあるだけに、ガソリン代替燃料となるには、両方式の歩み寄りも必要となっているようだ。