ID : 5166
公開日 : 2007年 10月29日
タイトル
松くい虫抵抗性苗で松林再生へ 岩手から導入試験
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新聞名
信濃毎日新聞
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元URL.
http://www.shinmai.co.jp/news/20071030/KT071026GCI090035000022.htm
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元urltop:
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写真:
 
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県松本地方事務所は本年度、松くい虫被害を引き起こすマツノザイセンチュウに抵抗性のあるアカマツの苗を岩手県から試験導入している。管内では近年、松くい虫被害に伴うアカマツの伐採が急増。苗が 県内の気候に適応するかなど手探りの段階だが、「伐採した跡地でうまく育てば、松林回復への手段になる」と期待している。
 苗は、岩手県林業技術センターが病原虫を人工的に寄生させて探し出した「虫に強い親木」から種を取った。昨年度までの調査で寄生後の生存率は、通常の岩手産アカマツの31%に対し、54%に高まっているという。 松本地事所は200本を購入。筑北村で今月開いた育樹祭で50本を植え、参加者に100本を配布した。管内の市町村担当者が集まった被害対策会議でも紹介した。
 同地事所管内の松くい虫被害(被害木の体積)は、2000年度以降200-600立方メートルで推移していたが、06年度に約2100立方メートルに急増。本年度上半期も前年同期比で約4割増えた。特に松本市や、安曇 野市明科地区で増加が目立つ。
 「今が被害拡大を防ぐ正念場」と同地事所。被害木の伐採と薬剤散布に力を入れている。再発させないため、伐採後は再びアカマツを植えず、そのままにしておくかヒノキなどほかの苗を植えてきた。同地事所は、地元 の景観としても親しまれてきた松林の回復を模索。今回の苗導入について「定着具合や病原虫への強さを調べながら、来年度も続けたい」としている。
 県内全体で06年度の松くい虫被害は約5万600立方メートルで全国2番目に多かった。特に被害が多い下伊那、上小地区でも、04年度(喬木村)と05年度(上田市)に岩手産の抵抗性苗がそれぞれ700本試験的に植 えられた。
 抵抗性のある苗は1970年代以降、西日本を中心に研究されてきた。西日本の苗を気候が違う県内に植えることは林業種苗法で禁止。県林業総合センター(塩尻市)も研究してきたが、実用化に時間がかかりすぎるこ とや人員不足を理由に昨年度で中断している。