ID : 5356
公開日 : 2007年 11月12日
タイトル
森林税、年間1人500円負担 県が条例案を発表
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/nagano/20071114/CK2007111402064081.html
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元urltop:
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写真:
 
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 県は13日、荒廃する森林の整備を進めるため、県民に新たな税負担を求める森林税の条例案を発表した。税は「森林づくり県民税」の名称で納税者1人当たり年額500円を課税し、里山の間伐支援などに 充てる。法人にも課税し、年間約6億8000万円の税収を見込む。県は来年度の導入を目指し、条例案を県議会12月定例会に提出する。村井仁知事は会見で「元気な森を次の世代に引き継ぐため、県民みんなで支え る森林づくりの第一歩を、里山の森林づくりから始めたい」と理解を求めた。
■必要性
 県内の民有林の半分に相当する33万ヘクタールが、戦後から造成された人工林。その多くが樹齢40年前後で、間伐の時期を迎えている。しかし林業の不振に伴い、放置される森林が増え、山崩れなどの危険性にさら されている。
 県が2005年度に策定した「信州の森林づくりアクションプラン」は、15年度までに、間伐が急務な森林25万ヘクタールの整備を打ち出す。今後、本年度計画の3割増となる年平均2万3000ヘクタールの間伐が必要 となり、財源は国庫補助を活用しても年間5億-6億円が不足。県は新たな財源として森林税を活用したい考えだ。
■税額
 森林税は「森林機能の恩恵は、すべての県民が享受している」と、県民全体で幅広く負担することを想定している。
 個人へは、個人県民税の均等割りに年額500円を上乗せする。対象は、県内に住所や家屋、事務所を持つ約110万人で、低所得者や障害者などは非課税。また県外に住む山林所有者は、対象外となる。
 法人は、資本額に応じて支払う法人市民税均等割りの5%相当額を課税。税額が最も低い資本金1000万円以下は1000円、最も多い50億円以上は4万円がそれぞれ上乗せされる。
 有識者らの懇話会は6日、知事への提言の中で「(個人へは)500円から1000円の範囲内」と示した。税額の根拠について加藤英郎林務部長は「必要な事業額を勘案して設定した」と説明した。
■使い道
 使途のうち、中心的な事業として県は「里山を中心とした森林づくりの推進」を挙げ、約5億2000万円を見込む。間伐の実行をはじめ、森林づくりの企画などを担当する人材や間伐実施の担い手を育成する事業体を支 援。小規模な森林や所有者が地元に住んでいない森林の整備を進めるため、境界を明確にしたり、所有者の合意を取り付けたりするなどの事業も支援する。
 また市町村に対する支援に約1億4000万円を充てる。害虫駆除や有害鳥獣対策の緩衝林整備など、地域の実情や地元住民の要求に応じた独自の活動が対象となる。
 さらに、森林づくりに対する県民の理解を深めるための事業に約2000万円を予定。情報発信や啓発活動の実施、県と地域それぞれの単位で住民代表による「県民会議」「地域会議」を開催する。
 事業内容の決定について、知事は「要綱や要領など、よりどころとなる基準を作り、どうやって使っていくのか手続きを整える」と述べた。
■実施期間
 来年4月から5年間実施した後、税導入の効果などを総合的に見直す。
 実施にあたって、税収の使い道を明確にするため、「県森林づくり県民税基金(仮称)」を設けて税収を管理し、事業内容などを公表。法人や個人を問わず、県内外から寄付も受け入れる。
 5年後の見直しについて、知事は「どれだけの間伐ができたか吟味し、その時点でどうするかあらためて考えたい」と説明。県民の代表で構成する「県民会議」や有識者による懇話会など、第三者機関が検証にあたる 。