ID : 5546
公開日 : 2007年 12月 1日
タイトル
世界遺産の「道」を作る体験、ツアー客に好評
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200712010194.html
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元urltop:
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写真:
 
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世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道(さんけいみち)」ツアー客のみなさん、山村の生活を支える共同作業「道普請」を体験しませんか――。奈良県十津川村のこんな企画がうけている。世界遺産の一つで修 行の道として知られる「大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)」の一部ルートを付け替える作業。参加者は「世界遺産の道を自分で造るのは気持ちいい」とやりがいを感じているようだ。

雨の中、ボランティアらの指導で「道普請」に取り組むツアー客ら=奈良県十津川村で 小雨の中でも「道普請」を楽しむ北海道からのツアー客ら=奈良県十津川村で
 道普請は、村が民間業者と協力して昨夏から始めた大峯奥駈道などを歩く企画(2泊3日)の一つ。大峯奥駈道は吉野から熊野に通じる険しい山岳道だが、同村の東南部の一部では舗装されたアスファルトの林道にな っている。「世界遺産の道にふさわしくない」として、杉やヒノキが生い茂る村有林の中を抜けるルート(約500メートル)に付け替えることにし、ツアー客にも協力してもらうことにした。
 客の作業は1回約1時間。鍬(くわ)で斜面を削り、間伐木の丸太を土留めにして木槌(きづち)で杭(くい)を打ち込み、幅70~80センチの山道を造る。昨年8月以来、計6回開催し、これまでに延べ約100人が参加。す でに約200メートルまで道ができた。
 ツアー料は5万5千~6万5千円(奈良までの交通費除く)。11月上旬のツアーに北海道から参加した女性は「最初は『旅行代を取られたうえ、どうして労働しなければならないの?』と思ったが、やり始めると実に楽しい 」。最高齢だった北海道北竜町の米田穣さん(78)は2回目の参加。「約1300年の伝統ある道をつなげるというのは気分が良い」と話した。
 同村は琵琶湖とほぼ同じ広さの日本一広い村で55集落が点在する。飲料水の水源地のある谷の奥に行く道などを、住民共同で整備する道普請が昔から盛んだった。
 ガイドボランティアグループ「十津川鼓動の会」事務局長の阪口弘子さん(41)は「住民一人ひとりがいろんな能力を身につけ、力を合わせないと生きていけない山村の生活の知恵を伝えていきたい」と言う。
 林道化している大峯奥駈道は村内にまだ2キロほどある。村は道普請を社員研修に生かしてもらおうと、企業にも売り込む。