ID : 5799
公開日 : 2007年 12月19日
タイトル
バイオ燃料 地域の利点生かさねば
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新聞名
北海道新聞
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元URL.
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/editorial/66664.html
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元urltop:
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写真:
 
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ガソリン代替燃料となるバイオエタノールの大規模実証プラントが苫小牧市などの苫東地区に着工した。
 合同酒精などを傘下に持つ清酒・焼酎製造のオエノンホールディングスが工業用アルコール工場とともに建設する。JA北海道中央会なども十勝管内清水町に実証プラントを十月に着工済みだ。
 農林水産省は当面、二○一一年度に年五万キロリットルの生産を目標に施設整備計画を進めており、二つのプラントはこの一環だ。いずれも稼働は○九年春で、生産能力はともに年一万五千キロリットルと国内最大だ。 苫東、清水町はバイオエタノール生産の二大実験拠点となる。
 道内にはバイオ燃料に使える原料が豊富だ。農業王国にふさわしいエネルギー源と言えよう。農業振興とうまく組み合わせてバイオ燃料の生産拠点づくりを進めたい。
 アルコールの一種であるバイオエタノールは燃やしても大気中の二酸化炭素を増やさないとして、有力な地球温暖化対策と位置付けられている。
 ところが、原油高騰によるバイオエタノール需要で、最大の生産国の米国では原料のトウモロコシが急騰し、日本でも配合飼料や食用油などが値上がりした。食物を燃料にすることに生産者には抵抗がある。消費者も 身近な食品の値上げで疑問を持つだろう。
 しかし、石油製品高騰への対応、エネルギー利用の多様化の面でもバイオ燃料の普及は必要だ。国内の食料供給や消費生活に悪影響を与えない原料確保、生産体制を考えるべきだ。
 需要の減少で生産過剰に陥っている作物や商品価値の低い規格外の作物の活用が期待できる。さらに、より低コストの稲わら、木片などからエタノールを生産する技術の開発にも積極的に取り組むべきだ。
 オエノンは原料にミニマムアクセス(最低輸入量)米を使うが、将来は飼料用など道産の多収米を原料とする考えだ。JA北海道中央会などは交付金対象外のビートを主な原料とする。
 道内の耕作放棄地は約二万ヘクタールに及ぶ。バイオ燃料の普及が進めば、これが活用でき、農林業は新たな領域が広がる。雇用面など地域活性化にもなる。
 欧米やブラジルに比べ、日本はバイオ燃料の普及が遅れている。原因の一つが税制面の遅れだった。ようやく与党も○八年度税制改正大綱でバイオ燃料の課税軽減を打ち出した。
 利用の拡大も進めなければならない。石油連盟はエタノールを原料とした化合物「ETBE」を添加したバイオガソリンを四月から首都圏で販売している。これに対し、環境、農水両省はエタノールとガソリンを直接混ぜる 「直接混合方式」を提唱している。
 利用者のためにこの際、規格を統一できないか。政府と民間が一体となった取り組みを求めたい。