ID : 5833
公開日 : 2007年 12月21日
タイトル
森林税 私有林整備必要性訴え
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/nagano/news/20071220-OYT8T00620.htm
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元urltop:
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写真:
 
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森林の伐採費用などに使われる「県森林づくり県民税」(森林税)の導入案は21日、12月定例県議会の最終日に可決される見込みだ。来年度から課税対象の県民1人当たり500円を負担することになる。な ぜ新税が必要なのか。(服部牧夫)
 ■「喫緊の課題」
 村井知事は、県議会で「民有林の間伐は喫緊の課題」と理解を求めた。県林務部によると、県内の森林面積は105万6000ヘクタールで、民有の人工林は全体の約3割を占めている。1950年ごろから75年ごろにかけ て、伐採した落葉樹の代わりにカラマツなどの針葉樹が植えられた。うち半分以上は、10年以内に間伐を行う必要がある。
 針葉樹の森林は手入れを怠ると、樹木が密集し、太陽の光が葉に十分当たらず木の成長が鈍り、根の張り具合が弱くなる。そうなると、豪雨時に土砂災害が起こりやすくなる。また、葉が二酸化炭素を吸収しにくくなり、地 球温暖化防止の面からもマイナスだ。県が特に間伐を進めたいのは、所有者が亡くなり、所有権を相続した子どもらが地域外にいるといった理由で所有の境界が明確でない森林。
 ■公金投入
 現在、民有林の整備に対しては、国と県合わせて費用の7割を補助する仕組みになっている。県は、境界が不明な森林を対象に補助率を9割まで上げ、整備を促す狙いだ。そのため、県は新税を導入することにした。 12月県議会に提案された条例案では、個人県民税の均等割り分として500円、法人県民税の均等割(年2~80万円)に5%相当額をそれぞれ追加で課税し、年約6億8000万円の税収を見込む。
 使い道は、民有林整備などに約5億2000万円を充てるほか、地域ごとの課題に即して市町村が独自に実施する関連事業に約1億4000万円を補助する。また森林整備の必要性などを伝える広報活動費に約2000万 円を使う計画だ。
 ■理念は共有
 県議会の一般質問では当初、私有財産に公金を投入する理由を問う質問が相次いだ。これに対し、加藤英郎林務部長は「森林の恩恵は県民一人ひとりが享受しており、公共の財産を形成している。(林業は)収益性が きわめて低く、所有者だけでは進められない」と必要性を強調した。
 19日の林務委員会の条例案採決で反対した高村京子県議(共産党県議団)は、十分な議論が尽くされてないことを反対理由に挙げる一方、「理念には賛成している」と森林整備の必要性には理解を示した。
 森林の現状や機能について詳しく知る県民は少ない。県には、新税導入を機に、森林の環境保全機能も含めた丁寧な説明が求められる。