ID : 5839
公開日 : 2007年 12月22日
タイトル
冬の心に「癒やし&ゆとり」 「薪ストーブ」シニアに人気
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/local/fukuoka/20071222/20071222_027.shtml
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元urltop:
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写真:
 
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化石燃料使用せず 環境にもメリット
 木材を燃料にする薪(まき)ストーブが静かなブームを呼んでいる。柔らかなぬくもりと炎が、特に「癒やし」や「ゆとり」を求めるシニア層の心をひきつける。化石燃料を使わないため環境負荷が少ないという点も魅力の ようだ。薪の調達などを通じて住民同士の新しい交流も生まれている。 (朝倉支局・吉田修平)
 福岡県朝倉市の住宅団地「美奈宜(みなぎ)の杜(もり)」。ログハウスの居間に置かれた鋳鉄製のストーブの中で、薪がパチパチと音を立てて燃え上がる。「炎を見ていると心が和むでしょう」。円城寺四方弘(よもひろ) さん(60)がにこやかに語りかけた。
 茨城県で会社勤めをしていた円城寺さんは2年前、退職して故郷の佐賀県に近い同団地に移り住んだ。「火のぬくもりに癒やされたくて」と薪ストーブを付けたという。シニア向けに開発された同団地ではここ2、3年、利 用者が急増。現在は約300戸のうち、15戸ほどが使っている。
 薪ストーブはいったん暖まると冷えにくいなどの利点があり、寒冷地を中心に利用者は増加傾向。薪ストーブ販売のファイヤーサイド(長野県駒ケ根市)は「ここ5年間で、販売台数は40%伸びた。特に九州や四国など 西日本からの問い合わせが増えている」と話す。
 種類は米国、北欧製から国産までさまざま。一般的な導入費用は本体と煙突を含め、110万円前後という。
 導入する際の課題は薪の入手。一冬に10立方メートルが必要で、市販の薪もあるが、燃料代が高額になる。2年前購入した同団地の坂倉誠爾さん(65)は「一冬で15万円前後かかり、困った」。
 同団地では、別荘を建てた建築資材販売の池田冨夫さん(58)=福岡県小郡市=が不要な木材を無償提供。煙突を目印に参加者を募り、昨年冬から「まき割り会」を始めた。これで、坂倉さんらの燃料代はほとんどか からなくなった。
 まき割り会をきっかけに、バーベキューパーティーや飲み会などにも発展。「薪ストーブが、住民同士の新しい交流のきっかけをつくってくれた」と坂倉さん。薪ストーブの熱がじんわり伝わるように、交流の輪が広がった 形だ。
 薪ストーブは環境面でも注目を集めており、九州大芸術工学研究院の重松敏則教授(緑地保全学)は「薪ストーブで排出される二酸化炭素は、もともと樹木が吸収していたものだから、環境への影響は少ない。薪を集め ることで森の手入れにもなる」と話している。