ID : 889
公開日 : 2006年 4月26日
タイトル
カンタン間伐でスギ花粉減らせ 樹皮はぐ『巻き枯らし』
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新聞名
東京新聞
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元URL.
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20060427/eve_____sya_____006.shtml
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元urltop:
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写真:
 
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花粉症対策に取り組む東京都は、スギの皮をはいで立ち枯れさせる間伐法「巻き枯らし」に着目、本年度に多摩地域でモデル事業を実施することを決めた。巻き枯らしは特別な技術も要らず、ボランティアで もできるため、森林荒廃に悩む各地の自治体から注目されている。
 専門家は「スギは込み合って衰弱すると、花粉をたくさん出す。巻き枯らしは花粉症対策としても期待できる」と話している。
 都は「総合的花粉症対策」として、花粉の少ない種類のスギや広葉樹への植え替え、間伐などを行い、十年間でスギ花粉量の二割削減を目指している。今月から始めた伐採費用ねん出のための募金活動もその一環だ 。
 一方、スギ林を健全に保つ間伐も重要な花粉対策の一つ。通常の間伐はチェーンソーを取り扱う技術が必要なほか、木を切り倒すために危険も伴う。国産材の需要減と人手不足から適正な間伐が行われず、「間伐手遅 れ林」が全国的な問題となっている。
 この手遅れ林を早く回復させる方法として、ここ数年、各地の自治体が取り組んでいるのが巻き枯らしだ。なたやかまでスギの皮を帯状にはぎ、樹液の流れを断って立ち枯れさせる。著書などで巻き枯らし間伐を解説 している福井県職員で森林インストラクター鋸谷(おがや)茂さんによると、立ち枯れたスギはすぐに倒れないため、残った林を風雪害から守る効果もあるという。
 埼玉県では二〇〇二年度以降、県西部から北部にかけてのスギ林で巻き枯らしを導入。同年度に七百十ヘクタール、〇四年度には九百十八ヘクタールと、全間伐面積の三分の一近くで実施している。
 同県農林部の担当者は「立ち枯れた木がいつ倒れるか分からないため、道路や民家の近くではできないが、チェーンソーを使わず、初心者やボランティアでも安全にできる」と利点を強調する。都環境局はすでに同県 の巻き枯らしの状況を視察。六月ごろをめどに多摩地域の公有林で巻き枯らしのモデル事業を行い、効果などを調べていく。