ID : 1375
公開日 : 2006年 7月22日
タイトル
南洋材、高値どこまで
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新聞名
日本経済新聞
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元URL.
http://www.nikkei.co.jp/news/kakaku/column/20060720e1j2001c20.html
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元urltop:
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写真:
 
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「南洋材の値上がりは天井知らず」。インドネシアやマレーシアなど東南アジアの木材を扱う関係者は高騰する市況にあきれ顔だ。
 この1年間で現地との成約価格は丸太で約2割、合板(コンクリート型枠用)で約5割上昇した。歴史的に見ると、インドネシアが1997年に丸太輸出の全面禁止を決めた「ウッドショック」ごろと並ぶ高値圏にある。
 背景には、昨年から現地政府の方針で伐採規制が急速に強化されたことがある。これまで保護地区から闇ルートで大量に違法材を買い付けていたとされる中国が合法材を求め始め、丸太の争奪戦が激化してきた。
 さらに、ここにきて「日本の輸入商社の行動も値上がりの一因」との声が目立ってきた。子会社に合板工場を抱える商社にとっては、丸太の高値より原料不足で工場の稼働が止まる方が痛手。工場の安定操業を重視し、 高値でも買い付けることで、価格上昇を加速させているという指摘だ。
 輸出業者との契約が決まらないまま船を送り込むことも多い。港頭在庫の枯渇で満船にするにも日数がかかる。「1日5000ドルの滞船料」(総合商社)を避けようと、価格を度外視して丸太集めに躍起になる商社もある という。
 現地の合板工場すら丸太確保に苦戦している。日本の商社が訪れても「暇を持て余してコンピューターゲームばかりしている」ほど。工場に入る警察の査察は厳しく、ラインを止めて丸太を一本ずつ点検する。数十年 続いた合板事業から足を洗い、パームオイルの生産を始める事業者も増えてきた。
 合板原料はここ10年で「脱南洋材」が徐々に浸透し、北洋材へのシフトが進んだ。足元の高騰や供給不安は南洋材離れを一層後押しする。ユーカリといった植林木や、木質繊維板(MDF)など代替素材への転換が加速 しそうだ。