ID : 1447
公開日 : 2006年 8月 5日
タイトル
若手社員を育成「後継者」へ期待
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新聞名
岐阜新聞
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元URL.
http://www.jic-gifu.or.jp/np/newspaper/news/2000/0228.htm
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元urltop:
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写真:
 
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非木造、外国産材住宅の大量生産による国産材価格の低迷で苦戦が続く県内の林業、木材産業界。特に、木材需要の主要部分を占める産直住宅を手がける木造建築業者の状況は深刻で、後継者不足という長年の課題を抱えている。この状況を打破するため、東濃東部の中小企業が中心となり創立準備を進めているのが、木造建築のスペシャリストを養成する職業訓練学校「職業訓練法人・木匠(もくしょう)塾」。中津川市に二〇〇一(平成十三)年四月開校する同校には、在来工法による木造建築後継者の育成と中小が結束して大手ハウスメーカーに対抗するための技術開発、情報拠点としての期待が集まっている。 同校は、〇一年三月に廃校する県立中津川高等技能専門校(中津川市千旦林)の土地、建物をそのまま活用して開校。県内外の木材産業関連企業など約三百社が運営主体となり、木造建築に関するあらゆる技術や技能を各企業の若手社員に一年かけて教え込む。講師には全国十大学の建築学科の教授らのほか、即戦力となる人材育成を目指し、現場の大工ら職人も講師陣に加わる予定だ。 同校設立準備委員会の中川護事務局長は「このまま外国産材を使う大手主導の状況が続くと、業界だけでなく農山村も駄目になる。伝統的な木造建築を伝承していかなければならない」と同校の必要性を説く。 森林率全国二位の県は、九十九市町村のうち過半数を超す五十五市町村が山村地域(森林面積比率七五%以上の場合)。一九八〇(昭和五十五)年ごろをピークに下降する木材価格がさらに落ち込めば、林業従事者が激減して間伐など手入れがされなくなり、山がますます荒れる。建築資材となる木材が生産されずに山村への利益還元がなくなるという最悪の事態も予想され、木材産業を基幹とする自治体にとっても深刻な問題だ。 さらに、産直住宅の中小工務店などに追い打ちをかけるのが、今年四月施行の「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(品質確保法)で、新築住宅の十年保証と住宅性能表示制度が義務付けられたことだ。 同校に参加する付知峡ひのき建築協同組合(恵那郡付知町、加盟二十七社)の早川貴典理事長は先月初めの全員協議会で、「体力に勝る大手と同じ土俵に上げられ、産直住宅を取り巻く環境は一層厳しくなった」と組合員らに説明。木匠塾の説明に訪れた中川事務局長に対して、「新法など個々で対応するのは難しい。参加企業に対する情報提供や勉強会も開催してほしい」と要請した。 伝統的木造建築の後継者育成が同校の設立趣旨。既に北海道や東京、高知県など県内外百五十以上の企業が賛同している。学校運営や学生派遣を通して全国企業ネットワークが構築できれば、岐阜の東濃ヒノキや北海道のカラマツ、九州のスギなど資材の相互供給、共同技術開発や情報の共有など同校を最大限に活用でき、大手に対抗できる拠点施設となる可能性に期待が膨らんでいる。(