ID : 14605
公開日 : 2010年 1月 5日
タイトル
林業公社存廃の岐路 固定負債164億
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gunma/news/20100106-OYT8T00093.htm
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元urltop:
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写真:
 
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木材価格の低迷や、借入金の累積などで約164億円の固定負債を抱える県林業公社が、存廃の岐路に立たされている。県議会11月定例会でも問題となり、県は、今年度中に存廃を決定すると明言した。総務省が昨年12月、第3セクターに対する特例債の適用条件を緩和したことで、解散を決める自治体も出てきた。森林整備の将来に不安の声が上がる一方、このままでは負債が膨らみ続けるため、県は早期の二者択一を求められている。(神園真由美)
 県林業公社は1966年に発足、土地所有者の代わりに造林して収益を分け合う「分収林事業」を柱としてきた。所有者に苗木や管理の費用負担はなく、公社が農林漁業金融公庫(現・日本政策金融公庫)から借り入れて賄ってきた。利益は所有者4割、公社6割とする仕組みで、公社は所有者約1300人と契約を結び、約5200ヘクタールを管理する。
 事業は、戦後の木材不足を補うために荒廃した山林を整備する国策として進められた。ただ、木材の市場価値が高くなるのは樹齢40~50年。県内では出荷できる状態になったばかりだ。
 しかし、安価な輸入木材による価格低迷がネックとなる。木材価格は66年当時、1立方メートル(十数本)当たり1万1400円。80年(2万2700円)をピークに下がり始め、昨年は3100円まで下落。その上、人件費は66年に1人当たり1日1000円だったが、現在は1万3000円と13倍になり、輸送費用は1立方メートル当たり約1万円かかる。
 売るほどに赤字となる仕組みで、公社幹部は「ほかの事業から2、3億円補填(ほてん)したが、追いつかない。木材価格がせめて、66年の水準に戻ってくれれば」と嘆く。公社は2004年度から新規植林をやめ、既存林の保育だけを行う。
 負債額は膨らむ一方で、内訳は、日本政策金融公庫からの借入金52億600万円、県からの借入金93億3400万円、借入利息引当金(未払い利息)18億3900万円。含み損は100億円超との見方もある。
 林業公社の経営難は全国共通の問題だ。林野庁によると、林業公社は現在、36都道府県に40法人ある。岩手県では07年に負債622億円を抱えて解散するなど、見直しの動きが強まる一方だ。公庫からの借入金などが138億円に膨らんだ神奈川県は昨年12月、来年度前半に公社を解散することを決めた。特例債と交付金を使うことで20億円の削減が見込めるという。
 存廃いずれにも長短あるが、県は神奈川県の例を注視する。解散の場合、公庫借入金の一括返済が可能となり、県では17億円の利息負担が軽減できるという。