ID : 14678
公開日 : 2010年 1月18日
タイトル
住まいナビ:耐震シェルターって何?
.
新聞名
毎日新聞
.
元URL.
http://mainichi.jp/life/today/news/20100118ddm013100027000c.html
.
元urltop:
.
写真:
 
.
耐震シェルターって何?
 ◇倒壊家屋から命守る 木製枠で安全な空間確保 95年の阪神大震災では、犠牲者の8割以上が住宅や家具などの倒壊による圧死や窒息だった。以後、住宅の耐震診断や改修の必要性が言われて久しいが、今、注目されているのが耐震シェルターだ。住宅の中に木製枠などで一定の空間を確保して、住宅が倒壊しても空間内はシェルターとして守られる仕組みだ。
 「たとえ家がつぶれても、このスペースは大丈夫。最低限、家族の命は守ることができます」。戦前からの住宅が建ち並ぶ大阪市阿倍野区昭和町。築75年になる4軒長屋の1軒の1階に自ら設置工事中の耐震シェルター内で、1級建築士の松峯哲也さん(46)は強調した。春には妻(34)と長女(4)の3人家族の新生活をここでスタートさせる。シェルターのある部屋は居間として使う予定だ。
 松峯さん宅の耐震シェルターは、「j.Pod工法」という独自の工法による。シェルター(高さ2・5メートル、幅と奥行き各2・7メートル)は4畳半の広さが標準だが、幅は調整でき、松峯さん宅は幅2・2メートル。床と天井、両壁の4面を、ロの字形の木製枠を九つ並べて構成。既存の長屋の構造体とすき間を空けて設置することで耐震性を確保する。枠の木材(幅18センチ、厚さ7・2センチ)は間伐材の国産スギを使った。
 同工法を発明した1級建築士で日本建築構造技術者協会関西支部幹事の樫原(かたぎはら)健一さん(61)によると、設計事務所など24社でつくる「j.Pod工法協会」(大阪市、06・6809・3143、http://www.jpod-eng.com/)の実験では、シェルターは2階の12畳間(約10トン)が崩れ落ちてきても大丈夫だった。
 工期は1週間程度で、費用は4畳半の標準タイプで施工費を含めて150万~200万円。松峯さん宅は同工法が大阪市の補助金対象のため、費用180万円のうち自己負担は90万円だ。
 国土交通省の住宅・建築物の地震防災推進会議委員も務めた樫原さんは「高齢者や障害のある人ら自力で逃げることができない災害弱者が、救助が来るまで命をつなぐことができるセーフティーネットとして耐震シェルターは有効で、公的な補助制度の一層の充実が必要だ」と話す。
   ◇
 住宅メーカーも耐震シェルターに力を注ぐ。一条工務店(東京都、耐震リフォーム事業部0120・422・231)は木質パネル式の耐震シェルターを売り出している。社会貢献と位置付けて、費用は施工費を含め25万円という手ごろさが特徴。全国で約150基を販売した。
 また浜松市にある建築会社「ヤマニヤマショウ」(0120・88・2420)は、鉄骨の柱と梁(はり)でつくる耐震シェルター「レスキュールーム」を開発。震度7以上にも耐えられるといい、6畳で工期7~10日、費用は施工費を含めて約300万円。東海地方を中心に約550の施工実績がある。