ID : 14753
公開日 : 2010年 1月25日
タイトル
環境保全支援「松崎基金」
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kochi/news/20100123-OYT8T01042.htm
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元urltop:
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写真:
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森林資源でエコ 夫の遺志継ぐ
基金について説明する早苗さん(高知市の高知大で) 県の豊かな森林資源を活用した環境活動に取り組みながら、2008年12月にがんで亡くなった元県産業振興センター職員、松崎武彦さん(享年69歳)の遺志を引き継ごうと、妻早苗さん(68)と知人らが、遺産3000万円を原資に、市民の環境保全活動を支援する「松崎武彦高知エコ基金」を設立する。23日には、高知市曙町の高知大朝倉キャンパスで、設立記念講演会が開かれ、早苗さんは「これこそエコ活動というものに、全県民がクリエイティブに取り組んでほしい」と話している。
 松崎さんは東京都生まれ。早稲田大第一理工学部を卒業後、旧通産省の工業技術院東京工業試験場で勤務。2000年に退官後、県産業振興センター入りし、新しい県内産業の創出に向けて、コーディネーターを務めた。
 松崎さんが注目したのは、県土の84%を占める森林。間伐材や製材所で出る木くずなどを、〈資源〉として活用した木質バイオマスを県の環境事業の中心に据えようと、産官学の連携に奔走した。05年から亡くなる直前まで、活動内容や環境保全を訴えるブログ「バイオマス通信」を書き続けた。
 松崎さんの死後、早苗さんは「夫の思いは、まだ実現していない。遺志を引き継ぎたい」と、基金の設立を提案し、09年9月に準備会を発足。今年3月にはNPO法人格を取得する予定だ。早苗さんは「高知を日本のバイオマスセンターのような場所にしたいと考え、全国の研究者ら約1000人に、バイオマス通信を送っていた」と振り返る。
 基金の助成対象は、県内で環境問題に関する活動や研究、調査に取り組む個人や団体。2010年度は、計350万円が助成される。2月15日~3月15日に募集し、5月末に決まる。森直樹理事長は「行政の補助金が受けられなかった人たちを補助したい」と話す。
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 記念講演会には、松崎さんを知る研究者や市民ら約150人が集まった。
 生前の松崎さんと親交があった東京大学生産技術研究所の山本良一教授は「温暖化地獄回避のための社会の大転換」で記念講演し、松崎さんの思い出を語り「化石燃料に頼った社会を続ければ、温暖化の無間地獄に陥る。覚悟を決めて産業構造の転換を図らなければ」と呼びかけた。
 また、久しぶりに高知を訪れた橋本大二郎前知事も講演。16年間を振り返り、「高知は環境を〈攻めの仕事〉にするという意識が、県民に浸透している先進県。エコ基金を通じて環境未来を支える芽が出てほしい」と期待した。
 基金の問い合わせは、早苗さん(090・8108・0252)。