ID : 14966
公開日 : 2010年 1月16日
タイトル
CO2、製めん所が6割減 盛岡、茶飲み話きっかけ
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://www.asahi.com/eco/TKY201001070214.html
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元urltop:
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写真:
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原油高による燃料費高騰で省エネを突き詰めたら、温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)を5年で60%以上減らせたという製めん会社が盛岡市にある。製材所の経営者との茶飲み話をきっかけに木くずボイラーや蒸気発電などに次々と取り組み、脱化石燃料は今も進行中。同社は「経営的にもエコは助かる。中小企業も温暖化防止に貢献できることを示したい」と意気込む。
 同市の兼平製麺(めん)所は、1日10万食のうどんやそばを製造する湯を沸かすのに重油を1日3千リットル使う。ところが数年前の原油の高騰で重油の値段が1リットル25円から50円近くに。年2500万円も負担が増え、「これ以上高くなったら赤字」という状況になった。
 そんなとき、兼平賀章(よしあき)専務が近くの製材所の経営者と雑談中、「薪(まき)でもたくしかないかな」と嘆くと、「そういうボイラーがあるよ。木くずなら、うちからどうぞ」。
 木くずボイラーの価格が6千万円と重油ボイラーの約20倍もするのに面食らったが、国が3分の1を補助する制度を利用して2003年に購入。燃料には製材所の木くずのほか建築廃材を使った。半日に1度、ボイラー内の燃えかすを除去する手間などで苦労したが、要領を得ると軌道に乗り始めた。
 07年秋からは近くの食品工場や社員の家庭で出た天ぷら油などの廃油からバイオディーゼル燃料を生成し、木くずボイラーと並行して動かしている重油ボイラーに使い始めた。一昨年には、国の半額補助を得てボイラーの蒸気でタービンを回す2600万円の発電機を導入し、電気代も減らした。
 木くずや植物性の廃油を燃やした場合、原料の植物が光合成で吸収した分のCO2を出すだけなので、石油のようにCO2を増やしたとはみなされない。このため同社のCO2排出量は03年度の3364トンから08年度は約60%減の1384トン、重油代も以前の10分の1以下の年200万円に。一昨年夏、重油が1リットル150円近くに高騰しても動じなかった。
 今年は工場の屋根200平方メートルで太陽光発電を始め、事務所の電気をまかなう予定だ。木くずボイラーももう1台導入し、重油を使わない完全な「エコめん」化をめざす。同社の年間売上高は26億円。初期投資はかかるが、「環境のためには必要なこと。いずれは元が取れる」という。
 昨年12月の国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP15)で日本が掲げた温室効果ガスの削減目標「25%」を、はるかに上回る削減ぶり。兼平専務は「『やれるわけない』と思われがちだが、知らないだけ。中小企業の我々でもできた」と話す。「もう病みつきです」