ID : 15447
公開日 : 2010年 3月24日
タイトル
県産木材も「地産地消」で 県、新改築に助成
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新聞名
中日新聞
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元URL.
http://www.chunichi.co.jp/article/shiga/20100323/CK2010032302000010.html
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元urltop:
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写真:
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県産木材を建築材に使う地産地消の動きが、県内各地で出始めている。手入れが行き届かずに進む山林の荒廃を食い止め、地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)の排出削減にもつながる試みだ。林業の再興を図ろうと、県も後押ししている。現状を探った。 県内における建築向け木材の供給量は、2000年度の1995立方メートルから、08年度には5倍超の1万517立方メートルとなっている。 林業従事者や建築設計事務所、工務店などでつくる県内8団体は「滋賀らしい環境こだわり住宅づくり手ネットワークグループ」を09年に発足。森林からの木の切り出しや木材加工、施工などの各工程を業者が連携して担い、県産材を活用した家づくりに取り組んでいる。 このうち高島市を中心に活動する「安曇川流域・森と家づくりの会」は県産材の住宅を年間10~15軒建築。普及啓発にと、モデルハウスづくりも進めている。宮村太代表=東近江市=は「県産材は地域の気候風土に適しており、丈夫で長持ちしやすい」と話す。 こうした活動を後押ししようと、県は「木の香る淡海の家推進事業」を04年に開始。住宅の新改築の際、県産材の使用量に応じて最大で40万円を助成する。09年度は11月までに79件の応募があり、予算枠いっぱいで募集を打ち切る人気となった。 各地で取り組みが進む背景について、県森林政策課は「国の造林事業で戦後に植えられたスギやヒノキの人工林が伐採期を迎え、利用可能な資源が豊富にある」と指摘。「外国産材を船で海外から輸送する際に生じるCO2排出量を減らせるなど、環境面のメリットもある」とみている。 半面、課題も多い。安価な外国産材の影響で、国産スギの1立方メートル当たりの単価は、1980年の2万2700円から、08年には3100円まで落ち込んだ。宮村代表は「110平方メートルの2階建て住宅を建てる場合、国産材は外国産材より材料費で30万~40万円費用がかかる」と話す。加えて、国産材は外国材より直径で10センチ、長さで2メートルほど小さく、利用が限られるのも足かせになっている。 価格低迷のあおりで80年に1108人いた県内の林業従事者も、08年には384人に減った。毎年、伐採期を迎える森林がある中、従事者の減少は痛手。大半が50~60代と高齢化が進み、後継者不足も深刻だ。  ◆  ◆ 手入れされない山林では、伐採期を過ぎた木が日光を遮り、下草が育たたずに土地の保水能力が低下。豪雨や積雪で土砂崩れなどの災害をもたらし、川や琵琶湖の水環境にも悪影響を与える。 龍谷大の宮浦富保教授=森林生態学=は「林業の不振は中山間地の過疎化を招く上、生物多様性にも影響を与えかねない。建築材や紙など森林資源の用途の多様化を探ることが必要だ」と話している。