ID : 1886
公開日 : 2006年 10月20日
タイトル
間伐材活用、近畿で加速──外材減少、建材会社が主導
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新聞名
日経ネット関西版
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元URL.
http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/36179.html
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元urltop:
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写真:
 
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近畿とその周辺地域で間伐材の活用が進み始めた。海外からの木材・建材輸入が減少、価格も上昇しているためで、域内の木材加工・木質建材会社が積極的に原料として間伐材活用に動いている。対応する林業地も増え、森林整備と林業活性化が連動した好循環が生まれる可能性もある。
 間伐は現在、国が3カ年計画で進めている。近畿の場合、2005年度からの3カ年で、2府4県合計約8万5000ヘクタールを間伐する予定。間伐面積は前の5カ年と同水準だが、材の利用量は前回を大きく上回りそうだ。
 京都府は利用目標を年間1万8000立方メートルに設定し、すでに初年度の実績は予定を25%ほど上回っている。和歌山県も前回実績の10%以上が目標。三重県や北陸3県も過去数年を大幅に上回る利用を目指している。
 産地も動いており、森林整備で実績のある日吉町森林組合(京都府南丹市)は、昨年は年間6000立方メートルを出荷したが、今年はこの5割増の見込み。「来年は1万立方メートルぐらいになる」とみている。兵庫県も「建設中の20棟の木造県営住宅は、播磨地域の県産間伐材で建てる」という。
 これらの動きのけん引役が民間企業だ。海外産材の供給が締まり、高値が続いているため、原料として国産材、間伐材の見直しに動く木材加工会社が増えている。
 合板生産大手の林ベニヤ産業(大阪市)は、ロシア産材が主原料だったが、昨年から間伐材比率を高める方針を打ち出した。京都、北陸3県、鳥取など、工場がある周辺9府県から間伐材の仕入れに動いている。
 同社が消費する原木量は月間約4万立方メートル。2割近くが間伐材だ。「杉の間伐材価格は外材と接近している。いまの1立方メートル1万円程度ではメーカーとして厳しいが、当面3割程度を目標に一定量を確保したい」(内藤和行社長)という。産地に搬入価格を提示、受け入れ数量も決めている。「価格も安定、伐採量の見通しも付く」(京都府、石川県など)と産地も積極的に応じている。


合板類にも間伐材が積極活用され始めた(林ベニヤ産業の舞鶴工場)  製材の山長商店(和歌山県田辺市)も、間伐材に限らず県産材利用を増やす方針。「5割ぐらいは増やしたい。乾燥などの設備投資も行っている」
 周辺地域企業の動きも目立つ。MDF(中密度木質繊維板)のエヌ・アンド・イー(徳島県小松島市)は、間伐材・チップ材の比率がすでに40%程度。「今後、四国以外からの調達も考える」という。集成材の銘建工業(岡山県真庭市)は、これまで原材料のほとんどが輸入材。しかし、「2、3年後には間伐材を利用する」として、他県での生産を計画中。
 集成材、合板、MDFなどはいまの主力木質建材。低質材やチップなども活用できるし、需要量が圧倒的に多い。間伐材の本格的な伐採・搬出と活用がうまく連動すれば森林整備も一気に進むことになる。