ID : 1904
公開日 : 2006年 10月23日
タイトル
下川の森で、森の香りと癒しを満喫
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新聞名
BNN
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元URL.
http://www.bnn-s.com/bnn/bnnMain?news_genre=17&news_cd=H20021023477
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元urltop:
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写真:
 
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10月20、21の両日、上川管内の下川町で『森林療法を感じ、語らう。in しもかわ』と題するツアーイベントが開催され、道内外から参加した40人あまりの人たちが森の恵みを満喫した。 森林の環境を健康増進や病気の予防や回復、リハビリなどに役立てる森林療法は、古くからドイツで盛んに実践されてきた。近年は日本でも注目が高まり、現在、林野庁は全国の森林療法基地の整備を進めるほか、森林セラピストの資格制度化を検討中。
 北海道でも、水産林務部森林環境局に事務局を置く「森林セラピー研究会設立準備会」が今年3月、「北の森林(もり)と健康ネットワーク」設立している。
 下川町では、森林組合が中心となり、2000年に、間伐材の有効利用の一環として、トドマツ(もみの木)の香り成分(精油)を抽出する「もみの木 エッセンシャルオイル」を商品化。樹木が発散する香りはフィトンチッドと称され、森林の持つ健康作用の重要なファクターであることから、精油の抽出体験と森林体験を連動させたツアーを主軸に、国や道の動きに先んじて森林療法基地としての活動を行なってきた。
 今回のイベントは、町、町内の病院、福祉施設、森林組合などで組織する「しもかわ森林療法推進協議会」と、森林体験や関連事業の運営・実施団体として町内に設立された「NPO法人 森の生活」の主催。
 20日に行われた「もみの木の精油抽出体験」では、トドマツ林で1本のトドマツを切り倒し、枝打ちをして蒸留場へ運び、精油が抽出されるまでの過程を体験。参加者たちは、自らスポイトで吸い上げて小瓶に詰めた精油と蒸留水を手にして、「自宅で森林浴ができる」「お風呂に入れて使いたい」と、歓声を挙げていた。
 21日は、精油を使ったマッサージオイル作りやハンドマッサージを体験する「アロマテラピー教室」、森林ウォーキングや木登り・樹林気功を体験する「森林散策」や「森林体験」、森林療法について語り合うシンポジウムが行われた。
 シンポジウムのパネラーのひとりで、森林療法を医療現場で実践する東京の赤坂溜池クリニックの降矢英成医院長によると、「森林体験はストレスをやわらげ、自律神経や免疫、ホルモン分泌の働きにも影響を与える」という。ちなみに、森林散策の前後に行なった自律神経バランス測定では、筆者の自律神経もストレス緩和の方向へ大きく指数が変化していて、びっくり。
 全国一の森林資源を有し、観光客が寄せる自然・癒しへの期待もとりわけ大きい北海道。森林療法は、医療への応用だけでなく、地域資源の有効活用と地域観光の活性化という点でも大きな可能性を秘めている。個別化する観光ニーズに対応する新たな切り口として道が注目する「癒しと健康ツーリズム」とも、質的に関連性が深い。町民参加の勉強会やセミナーを積み重ねることから始まり、町を挙げて森林療法基地としての体制づくりや環境整備を進めてきた下川町の取り組みは、その先進例として注目に値する。