ID : 1998
公開日 : 2006年 11月 7日
タイトル
フリーマーケットは森林破壊を防げるか?
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.janjan.jp/world/0611/0611064161/1.php
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元urltop:
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写真:
 
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世界の熱帯林は1950年代より10年ごとに5%の割合で縮小している。森林破壊は生物多様性やエコシステムの破壊という悪影響を生むだけでなく、気候変動をもたらす温室効果ガス(GHGs)の人為的排出の主要因ともなる。 10月23日に発表された世銀報告書は、熱帯林保護のために、豊かな国々は資金を提供すべきだと論じる。主執筆者ケネス・ショーミッツ(Kenneth Chomitz)氏はIPSの取材に応じ、「木を焼き払って生産性の低い畑に変えるよりも、そのまま残して炭素を蓄積させるほうが役に立つ」と語った。
 たとえばアマゾンの森林を1ヘクタール伐採して得る牧草地の価値は300ドル。木の焼却、腐敗過程で大気中に排出される二酸化炭素は500トンに達する。
 京都議定書による「クリーン開発メカニズム(CDM)」は、植林は認定するものの、森林破壊の防止は認めていない。「地主や政府が炭素蓄積効果のある森林を保護すると補償を受けることができるような、賢明な策を講じなければならない」とショーミッツ氏は言う。
 世銀の別の報告書によると、すでにコスタリカとパプアニューギニアが森林破壊抑制のために森林炭素クレジットのような奨励金の検討を要請している。これは11月中旬にナイロビで開催される国連気候変動会議の大きな話題となるだろう。
 いわゆる炭素取引制度は誤った取り組みであり、実施方法も複雑すぎると警鐘を鳴らす環境活動家もいるからだ。環境団体「熱帯林行動ネットワーク」のビル・バークレー氏はIPSの取材に応じ、これは、北の先進工業国にとって何も対策を講じなくて済む安易な方法だと批判。化石燃料による排出を抑えつつ、森林破壊を抑えていかなければならないとする。
 森林破壊をもたらす大きな要因に世銀報告書が目をつぶっているのも問題、とバークレー氏は指摘。その1つは、北の豊かな国々による安価な牛肉、大豆、木材などの生産物の消費。もう1つは、1990年代に世銀が行った融資で大豆農家がアマゾンの熱帯雨林やサバンナに進出したこと。これはヨーロッパの大豆市場の需要に応えるためであった。
 生物多様性の保護、二酸化炭素排出量の削減など多くの利益をもたらす森林破壊の抑制に炭素取引を持ち込むことの賛否について報告する。(原文へ)