ID : 2631
公開日 : 2007年 2月 1日
タイトル
森林再生へ妙案 北杜市が荒廃阻止で事業
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新聞名
産経新聞
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元URL.
http://www.sankei.co.jp/chiho/yamanashi/070201/ymn070201002.htm
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元urltop:
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写真:
 
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北杜市が林業従事者の減少で荒廃が進む森林整備の問題解消のために導入した事業が好評だ。開始から約3カ月で利用を希望する登録者は15個人・団体を超え、市は「まずまずの滑り出し」(林政課)とホッとひと安心。ただ、面積の約76%を森林に囲まれている同市にとって、林業従事者の減少で里山は荒れるばかり。「取り組みを続けることで、森を再生させたい」(同課)と事業の充実を見据える。
 北杜市が取り組む事業は「木づかい事業」と「杜(もり)づくり」。昨年6月に開かれた森林業の現状と対策を話し合う「北の杜再生会議」で委員の提案を受け、10月から始められた。
 「木づかい事業」は、不要な間伐木を薪や建材などに有効活用するもので、伐採木の譲り渡しはこれまで7件が成立した。冬場のこの時期は特に、薪ストーブ用に木材を求める希望者が多く、供給が間に合わないほど。薪以外にも、建築材や木工用に使いたいと市外からの申し出もあった。大きさにばらつきがあり、乾燥させていないなど市販の木材には劣るが、同課は「こうした木を利用することは何より環境のためになる。切り捨てたままの間伐木がある人は登録してほしい」と呼びかける。
 一方、個人では手入れが難しい里山や森林所有者と、手入れをしてくれるボランティアを仲介する「杜づくり事業」はちょっと苦戦する。これまでに整備ボランティアの登録は2件あったが、森林所有者から整備の要請はない。森林が放置され、荒れ放題になるのを防ぐ狙いがあるが、「自分の土地に見知らぬ人が立ち入ることに抵抗があるのかもしれない」(同課)と分析、推移を見守っていく。
 同市の森林は、林業従事者の減少に加え、森林所有者が土地を離れ、価格が安い輸入建材に押されて国産材への需要が低迷するなどして荒廃が目立ってきた。放置すれば人里との境界線があいまいになって動物が市街地に出没するなどの被害につながりかねない。さらに、伸び放題となった樹木のため日当たりが悪くなり、他の木や草の成長を阻害し、保水力や水源林としての機能が低下すれば、思わぬ大災害につながる恐れもある。
 同課は「まだ事業を知らない人も多い。来年度も続け、広くPRしたい」と仲介の輪が広がることを期待している。