ID : 2638
公開日 : 2007年 2月 2日
タイトル
インタビュー/安くて強い新工法の木橋を開発、普及を図る
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新聞名
週刊アキタ
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元URL.
http://www13.plala.or.jp/news21/shimen/0202_interview.html
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元urltop:
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写真:
 
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―新技術の木橋を開発したきっかけは。 「20年ほど前になりますが、県工業技術センターで研究員として土木関連の研究をしていた時に、新技術による木橋のアイデアが浮かび、5年ぐらいかけて開発に成功し特許を取得しました。その後、県自然保護課に異動になった時に、偶然にも鳥海国定公園の壊れた橋を作り直す計画が浮上し、『それじゃ私が開発したプレストレスト木橋で作ってみよう』ということになり平成13年11月に木橋が完成しました。その後、木橋の建設が海外で盛んで100年以上にもなる木橋がいくつもあることを知り、私が開発した木橋をどうしても世に普及させたいという思いが次第に強くなりました。そこで思い切って平成17年に県を退職し、仲間を求めプレストレストウッド研究会を設立しました。現在会員は県内の設計事務所、東北大学の教授、施工会社、木材会社などです。平成18年には太平山と森吉山の県立自然公園内の小川に架かる歩道用として造られています」。
―どんな工法なのですか。 「簡単に言うと、いくつかの集成木材ブロックをつないで橋桁を組み、連結部にH鋼を鋏みます。そして集成材の内側からワイヤーを通し両端からサンドイッチのように締め付けるという工法で、強度があり価格も安く施工も簡単にできます。従来の一般集成材木橋では、曲げ作用に対する引張・圧縮応力を集成木材が単独面で分担しなければならなく、また横桁間を個々に組み込まなければなりませんでした。私が開発したこの木橋は、プレストレスト導入による集成木材と鋼材の複合断面を構成し、曲げ作用に対する圧縮・引張応力を集成木材・鋼材のそれぞれが分担することで耐久性を向上させることができ、また直列する主桁ブロック間に通しの横桁をサンドイッチ状に配置することで、主桁・横桁の一体施工ができます。橋梁主桁の強度・剛性・靱性が向上し、橋梁上部工における主桁・横桁の工の施工が大幅に合理化できるという画期的なものです」。
―ほかにどんなメリットがありますか。 「コンクリート橋と比べても遜色ない強度で、さらに自然にも優しいという特徴もあります。先ほどお話したように、主桁接合と横桁組込を同時に施工でき、集成木材にボルト用などの削孔も必要としません。ボルトや釘を使わないことからゆるみやすべりを起こすボルト締めもありません。また集成木材は終局限界で圧縮応力状態で十分な靱性を保っています。施工が簡単なことから地元の業者でも十分に対応でき、また大型重機が必要でないため山奥の狭い山道でも施工ができるというメリットがあります」。 
―今後の抱負を。 「山林だけでなく歩道、車道、災害復旧用などにも拡大してもらおうと、国土交通省主催の新技術展示会に参加するなどしPRに努めています。間伐材を活用した研究など改良もさらに進めています。展示会などではコンクリート橋よりもきれいで簡単にできるという評価をいただきましたが、実績が少ないことから十分にこの工法の良さが理解されているとは言えません。今まで造ったプレストレスト木橋は、大雪などの山の厳しい条件にも大丈夫なことは実証済みです。また施工が簡単なことは県内の土木業者にもプラスになると思いますし、間伐材などを活用することにより秋田の山林の育成や管理面にもメリットが生まれるのではないでしょうか。優しく、強く、丈夫をテーマに、環境や人に優しく、しかも耐荷性、耐震性、施工性および経済性にすぐれたこのプレストレスト木橋をさらに改良し、普及させていきたいと思いますので、皆さんよろしくお願いいたします」。