ID : 224
公開日 : 2006年 2月 4日
タイトル
台風倒木の処理順調 森よ、災害に強く 日南町
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新聞名
日本海新聞
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元URL.
http://www.nnn.co.jp/news/060112/20060112007.html
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元urltop:
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写真:
 
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二〇〇四年秋に来襲した台風23号の強風により多数の人工林が倒れた日南町で、風倒木処理が順調に進んでいる。本年度中に被害林の約五割は倒木撤去が終わる予定で、復旧事業は当初よりも一年早く〇七年度末に終了する見込み。撤去後はほとんどの林家が森林再生を目指して広葉樹を植林するといい、風倒木処理を機に、同町の林業は杉やヒノキなど針葉樹中心から、天災に負けない『健全な森づくり』へと変わろうとしている。
 台風23号では杉やヒノキの人工林約二百六十ヘクタールが被害に遭った。同町の林業は国産材の価格低迷や林業従事者の高齢化などに苦しんでおり、そこに降り掛かった天災に、二次災害や廃業による山離れまで危ぶまれた。
 どれだけの所有者が森林復旧に乗り出すかは未知数だったが、国の激甚災害指定を受け、県や町も独自の補助金を創設して所有者の負担を軽減。災害の程度によって約百ヘクタールの被害林に三つの復旧事業が適用された。残りは間伐程度の作業で整理できるという。
 十七ヘクタールという大規模な倒木被害に遭った同町生山の森下巧さん(70)は当時、「林業の終わり」を予感したが、「山を育てた者としてみすぼらしい姿のままにしておけない」と一念発起。復旧事業を使って、昨年から三年計画の森林整備に取り組み始めた。
 日南町建設農林課によると、本年度の倒木撤去計画面積は三事業合わせて約五十四ヘクタールで、事業適用全面積の55%に及ぶ。負担の軽減や二次災害への懸念が原動力となり、さらに無残な山の姿が所有者の愛着心を呼び起こして、早期の被害林整備へとつながった。
 倒木処理が済んだ場所から植林も始まっており、昨年十二月の降雪で一部先送りされた地域があるものの、倒木撤去計画面積の約三割は既に植栽済みという。
 植林には、八割以上の所有者が桜やケヤキ、クヌギなどの広葉樹を用いる。単価が安く先行き不透明な針葉樹を再び植えるより、水源かん養や国土保全などの公益性が期待できる上、針葉樹よりも材価の高い広葉樹を長い目で育てようという理由からだ。
 森下さんは、それまでの町の林業を「針葉樹過多になり過ぎた」と振り返る。町森林組合の入沢宏組合長は「場所や条件を考え、一本一本の木が健全に育つよう手入れをして、災害に負けない強い森林をつくっていきたい」と話している。