ID : 3677
公開日 : 2007年 5月 1日
タイトル
森林再生 苗木から息長く 風倒木被害の日田市 荒廃植林地をケア
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新聞名
西日本新聞
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元URL.
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20070501/20070501_003.shtml
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元urltop:
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写真:
 
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台風による風倒木被害から森をよみがえらせるために植林されながら、その後荒れてしまった苗木を再び整備するボランティア活動が、大分県日田市天瀬町で続いている。福岡県大野城市の上野誠さん(65)と朋子さん(63)夫婦は、8年前から毎月同町の山に通い、植林した木々を手入れしてきた。小さな運動の輪は徐々に広がり、ちょっとした憩いの公園として実を結びつつある。
 日田市内の約8800ヘクタールで風倒木を出した1991年の台風被害。森の再生、都市と農山村の交流を掲げ、ボランティアによる植林が相次いだ。上野さん夫婦は94年、同町の湯ノ見岳(740メートル)で植林ボランティアに参加。倒木の伐採跡にヤマザクラやモミジなど数千本を植えた。
 上野さんは当時、福岡市役所に勤務。「福岡大渇水(78年)の記憶も重ね、水源の森再生にかかわりたいと思った」。しかし、地元の過疎・高齢化も影響し、その後十分管理されないまま。数年後に訪れると、苗木はススキやカヤに覆い隠されていた。
 夫婦は99年秋から下草刈りを開始。毎月第4日曜を作業日に決め、知人にも参加を呼び掛けた。活動拠点として近くの空き家を借り、「湯ノ見岳愛育会」を旗揚げした。
 会員は午前11時ごろから下草刈りを始め、昼食後再び1、2時間作業する。地元の計らいで近くの温泉に無料で入浴。借家で朋子さんの山菜料理などを食べながら、世間話に花を咲かせる。最近では企業単位のボランティアも増え、参加者は延べ約500人になった。
 同会の15人は4月29日、近くの亀石山でミヤマキリシマ群生地の手入れに汗を流した。定年後の第2の人生を楽しむ人もいれば、マイペースで作業する新婚カップルやOLも。みんなが10年、20年後の森に思いを広げる。
 上野さん夫婦は「植林したら終わりではなく、見守っていくことが大切。何本かのヤマザクラは花をつけるようになった。あのときのボランティアが自然に集まり、新たな森で同窓会が開けるとうれしいですね」と話す。