ID : 3698
公開日 : 2007年 5月 4日
タイトル
みどりの日/森林保全は最重要課題
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新聞名
日本農業新聞
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元URL.
http://www.nougyou-shimbun.ne.jp/modules/news1/article.php?storyid=172
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元urltop:
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写真:
 
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森林は水源をかん養する。農業に欠かせない。「森は海の恋人」というほどに漁業にも重要だ。いわば林業と農、漁業は運命共同体。林業を欠けば食料供給さえ危うい。それどころか、森林は地球環境を保全する。計り知れない機能がある。人間が命をつなぐ基盤だ。だが、わが国の森林は荒廃し、危機的な状況にある。「美しい森林づくり推進国民運動」が始まった。森林の保全を国家、国民の最重要課題とすべきだ。4月15日から「みどりの月間」がスタート。今日は「みどりの日」。森林、林業の課題を身近な問題とすべきだ。
 木材の自給率は約20%。輸入材が大量に出回っている。その結果、立木価格が安くなり林業経営が困窮、山に手が入らなくなった。枝打ちや間伐などが進まないと、樹木だけでなく草や低木の生育も妨げられ土が流される。水源かん養機能は弱まり、水の危機を招く。山・川・海とつなぐ生態系も崩れ、海洋資源も危うい。洪水防止、生物多様性の保全などの機能も弱まる。
 地球温暖化防止の面からの森林の機能も忘れてはならない。わが国は気候変動枠組条約京都議定書で、二酸化炭素(CO2)、メタンなどの温室効果ガスを、2008~12年の5年間で1990年に比べ6%減らす義務を負っている。そのうち3.8%は森林によるCO2吸収でまかなう計画だ。それには新植やきちんとした森林管理が必要で、現状では計画達成も危うい。
 そこで国民運動では、森林による温室効果ガス削減計画達成のため、今年から2012年までの6年間で330万ヘクタールを間伐する。さらに、100年先を見据えて広葉樹化、長伐期化、針葉広葉混交林化などを進める。
 その徹底とともに国産材の利用を進め、輸入依存から抜け出すことだ。それには、林業経営、木材流通の合理化、新技術・新商品開発、バイオマス(生物資源)としての活用、政策的支援の強化などを進めなければならない。住宅建設などで国民の理解と協力を得る必要もある。官民挙げた取り組みが欠かせない。「木づかい運動」「顔の見える木材での家づくり」の一層の広がりが期待される。
 基本的に森林の保全は国家が取り組むことだが、森林整備に関する地方自治体の独自課税も広がっている。林野庁の調べでは、今年度からの7県を含め23県が導入した。来年度からの導入が1県、検討中が19道府県だ。新たな税負担を強いることや財政の硬直化など問題は残るが、使途の明確化などで納税者の理解を得て、森林保全、林業振興につなげるべきだ。
 林業は、農業との複合で成り立つ場合が多い。林業経営を守るには、山村での農業振興も欠かせない。総合的な山村振興策を打つべきだ。それこそ「美しい国づくり」の基本である。山村が活性化しなければ林業は守れない。