ID : 3812
公開日 : 2007年 5月16日
タイトル
岡谷市の小田井沢川で立ち木を倒し試験 根張りの弱さ実証
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新聞名
長野日報
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元URL.
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=7149
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元urltop:
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写真:
 
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森林の土砂災害防止機能に関する検討委員会(委員長・北原曜信州大学教授、7人)は15日、岡谷市湊の小田井沢川で、立ち木の抵抗力を調べる試験を行った。土石流を森林内でたい積させる「災害緩衝林」の造成に向けた調査。測定値は想定の5―8割しかなく、現状の森林は土石流を食い止める力が弱いことが分かった。
 試験は、発生直後の土石流が森林内を流下した小田井沢川左支川上流で行った。流域に残るカラマツにワイヤを巻き付けて重機で引っ張り、どのくらいの力で木が倒れるかを測定。カラマツ2本の抵抗力を調べた。
 測定値は、高さ18メートル、幹直径22センチのカラマツAが1.8トンで、同規模の樹木が持つ想定抵抗力3.8トンの半分以下だった。高さ22メートル、幹直径28.2センチのカラマツBは5トンで、想定抵抗力6.36トンを下回った。
 北原委員長は「小田井沢川の土石流は立ち木が巻き込まれた流木災害でもあった。カラマツは間伐の遅れで幹の太さに比べて樹高が高いモヤシ状態。試験で根の張りが弱いことが実証された」とし、「間伐をした林や広葉樹林であったならば、のし掛かる土石流の力を抑さえ込むことが可能だったと思う。土石流が生まれたときに食い止める森林づくりが求められる」とした。
 検討委員会は昨年7月の豪雨災害を受けて発足。初年度は、森林の土砂崩壊防止機能について議論した。今年度は、崩壊土砂が土石流化する区間で森林が果たす役割などを調査検討する。抵抗力測定試験は、11月までに岡谷市の小田井沢川と本沢川で行い、樹種や土壌条件による違いを比較する。年内にはデータをまとめ、災害緩衝林造成に向けた「災害に強い森林づくり指針」の素案を作成する。
 この日の試験は、検討委員や県職員、地元の森林所有者ら約50人が見守り、災害緩衝林の造成に向けた意見交換も行った。一帯の山林を管理する湊財産区の小坂博茂会長は「山の経営はもうからないと言って山を放置したため、山が私たちの生命財産を放棄した。木を売るのが主だったが、人間生活の安全を守る山の機能も考えていきたい」と話していた。