ID : 3866
公開日 : 2007年 5月22日
タイトル
木を切るのは悪いこと?
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新聞名
オーマイニュース
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元URL.
http://www.ohmynews.co.jp/news/20070521/11334
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元urltop:
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写真:
 
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前回は、紙容器の特徴と歴史についてお話しましたが、今回はその原材料となっている森林について述べさせてさせていただきます。
(提供:日本テトラパック株式会社) 森林の活用とその保護については世界的に関心が高まっている分野ですが、その一方で誤解も散見されます。森林資源の持続的かつ有効な利用の立場から、この問題を考えてみましょう。
紙容器によって森林が減少しているのでは?
 これは、私たちがよく言われる言葉です。
「テトラパックは環境対策とか言ってるけど、紙容器をたくさん作ることによって、結局は原料になる森林を破壊しているんでしょう?」
 はたしてそうでしょうか? FAO(国連食糧農業機構)などの統計によると、確かに全世界の森林面積は減少しています。その主な原因は(焼畑などによる)火災・土地利用変換・原生林の乱伐などによるもので、特にアジアでの原生林の減少が深刻といわれています。
 しかし一方で、北欧・北米の森林面積は逆に増加傾向にあります。なぜかというと、これらの地域では国際的な規格とそれに基づいた森林経営が普及し、適正に管理された人工林が増えているからです。テトラパックでは、紙容器の原料のほとんどを北欧・北米の(適正に管理された)森林から調達しており、問題になっている森林減少には影響を及ぼしていません。
森林の管理とは?
森林と材木 (提供:日本テトラパック株式会社) 森林管理とは、我々が持続的に森林資源を活用していくために、森林の減少を防ぐと同時に生態系を含む森林の環境を維持するためのシステムです。
 テトラパックでは、その紙容器に用いる木材繊維は、全て第三者機関から「森林管理認証」を受けたものとすることを最終目標に掲げた「森林管理に関する声明書」を公表し、その実現に取り組んでいます。
 「森林管理認証」とは、独立した機関が一定の基準に合わせて評価・認証し、適正に管理された森林から産出した木材に認証マークなどを付すことによって、森林の保護と維持を図るためのものです。よく知られている世界的な認証としては、「FSC(Forest Stewardship Council)」などがあります。
 さらにテトラパックでは、「トレーサビリティ」(追跡可能であること)の考え方に基づき、原材料の供給元に対してCoC認証(Chain of Custody=加工・流通過程の管理認証)を求め、原材料の木材繊維をさかのぼって原産の森林を特定できるようモニターしています。

森は自然のままが良いのか?
植林の様子 (提供:日本テトラパック株式会社) もうひとつの誤解は、「人工林は環境にやさしくない。森は自然のままで手を入れない方が環境にも良い」というものです。
 地球温暖化の原因のひとつである二酸化炭素(CO2)ですが、ご存知のように樹木はその生長の過程で、二酸化炭素を吸収して酸素を排出するため、森林の保全は地球温暖化防止にも有効といわれています。
 しかし残念ながら、木にも寿命があります。
 一般的に樹齢が長い森林は、(若い森林に比べて)CO2の吸収力はどうしても弱くなります。そこで古木を伐採して若木を植え育てることで、森林全体のCO2吸収力を高めることができます。また間伐を行なうことによって、適切なスペースを確保して光合成を活発にし、樹木の生長を促進することができます。こうした適正な管理によって、森林は活性化していくのです。
紙を使って森を育てる
森林とパッケージ (提供:日本テトラパック株式会社) 森林環境を維持するためには、老木の伐採や間引き、若木の植樹など人の手による適正な管理が必要です。そうした過程の中で産出される間伐材や古木を活用して、紙容器などの木材製品を作ること、これが森林の経済的な管理につながります。森林を維持するには、経済的な持続性も重要な要素です。
 そこで誤解を恐れずに申し上げますと、森林の樹木を伐採し、それを紙容器の原材料として利用するというテトラパックの事業そのものが、環境への貢献につながっているのです。
 温暖化の大きな原因は、化石燃料の大量消費によるCO2の増加といわれています。そこでは化石燃料の焼却により地中にあった炭素が大気中にCO2として排出されています。一方、森林資源はCO2 を吸収するもので、仮に焼却しても排出されるCO2は吸収したOC2に等しいため、ライフサイクル的には全体のCO2の量は増加しません(これをカーボンニューラルと言います)。
 いわば紙容器は、原材料となる木材繊維を通じて大気中のCO2を封じ込めたものと言えるでしょう。紙を使うこと、これが森林を経済的・持続的に維持し、ひいては地球環境の保護にもつながるのです。
日本の文化と森、そして紙容器
春の森 (提供:日本テトラパック株式会社) 紙を利用し、木材を伐採しながら森林を育てることができます。ただしこれには「適正に」という但し書きが必要です。
 大変残念なことですが、今年WWF英国が発表した「Illegal Logging: Cut it Out」によると、日本は中国に次いで世界で2番目の違法木材輸入国となっています。
 一方で、日本の森林面積は約2512万ヘクタール(平成14年度「森林資源現況調査」農林水産省)と、森林は日本の国土の約3分の2を占めています。この森林面積と国土に占める割合は、森の国のイメージが強い北欧諸国などと比較しても極めて高い水準にあります。
 また、約1300年前に建築された法隆寺の五重塔は、幾多の風雪を経ながらも世界最古の木造建築物として、今日に至るまでその優美な姿を残していることが示すように、日本人は古代から木に学びその素晴らしさを文化の中に活かしてきました。
 経済性と環境保全を両立させる可能性を持つ紙容器は、木と共存してきた日本の伝統や文化ともどこかでつながる部分があるのかも知れません。
 次回は、地球温暖化に関してお話させていただく予定です。
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テトラパックは1951年にスウェーデンで誕生して以来、「容器はそれにかかるコスト以上のメリットを社会に還元しなくてはならない」という理念のもと、様々な環境への取り組みを積極的に進めてきました。