ID : 3908
公開日 : 2007年 5月26日
タイトル
緑資源談合逮捕 根絶へ病巣を白日の下に
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新聞名
山陽新聞
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元URL.
http://www.sanyo.oni.co.jp/sanyonews/2007/05/26/2007052608144666001.html
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元urltop:
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写真:
 
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林道整備をめぐる官製談合事件で、東京地検特捜部が農水省所管の独立行政法人「緑資源機構」の森林業務担当理事ら発注側の機構幹部二人と、受注側の四人を逮捕した。容疑は独禁法違反(不当な取引制限)である。
 受注側の逮捕者は、林野庁所管の二公益法人と、民間コンサルタント会社二社の各担当者だ。調べなどによると、六人は、機構が二〇〇五―〇六年度に実施した入札で、受注予定業者や入札価格について事前に合意していた疑いが持たれている。
 逮捕された機構の理事らは、全国八カ所の地方建設部から発注計画や予定価格などを報告させ、前年度の受注実績を踏まえて落札者を割り付けた「星取表」を作成していた。業者へは地方建設部の林道課長らを通じ「天の声」を出していたとされる。
 まさに組織ぐるみの談合である。鋼鉄製橋梁(きょうりょう)談合などが摘発され、談合に対する批判が高まっていたのに、露骨に行っていたとは驚きだ。受注側には、〇一年に林野庁などが発注する国有林野の業務で談合していたとして、公正取引委員会から排除勧告を受けていたケースもある。談合に対する罪悪感がなかったのだろうか。
 官製談合事件では、受注側の企業が調整して官が了承する場合が多い。今回は、機構の発注側が主導した談合だ。より悪質といえよう。
 機構は、林野庁幹部の有力な天下り先になっている。受注側にも機構や林野庁のOBが在籍する。林野庁OBが発注、受注側に分かれてなれ合い、天下りの見返りに業務を割り振っていたとみられる。OBの再就職に絡んだ癒着構造といえる。
 さらなる問題は、機構の林道整備の事業費は、国の多額の補助金で賄われていることだ。税金を食い物にした談合は決して許されない。
 地球温暖化や環境破壊が進み、国民の自然や森に対する関心が高まっている。内閣府が〇四年に発表した「森林と生活に関する世論調査」では、九割近くが森林に親しみを感じると答えた。緑資源機構のホームページには「農林業、農山村の健全な発展が求められている中、本機構に課せられた使命は大変重要なものがある」と書いている。談合で天下り先を確保しようとする身勝手な機構は、使命が果たせるのか不信が募る。
 林道整備をめぐる談合は、約十年前から行われていたと見られている。捜査当局は、談合を根絶するためにも病巣を徹底的に白日の下にさらしてもらいたい。機構の組織の抜本的見直しも必要だろう。