ID : 4057
公開日 : 2007年 6月10日
タイトル
住宅メーカー、割安の県産材に軸足 輸入材高騰で価格逆転
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新聞名
北國新聞
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元URL.
http://www.hokkoku.co.jp/_keizai/K20070612301.htm
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元urltop:
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写真:
 
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石川の住宅メーカーで、県産の木材を使う動きが広がっている。ロシアなど外国産の木材価格が高騰した影響で、外国産材と県産材の価格が逆転し、県産材の方が安くなったためだ。十分に整っていない県産木材の供給体制を確立するため、森林組合などが木材加工拠点を整備する検討に入っており、木材の「地産地消」の流れはさらに加速しそうだ。 石川県で唯一の木材加工・乾燥施設を持つ南加賀木材協同組合(小松市)では今年に入って、県内の住宅メーカーなどに出荷する住宅用木材が急増している。
 県産のスギの間柱の月平均の出荷量は、昨年度までは三千十五本だったが、今年度は約68%増の五千七十八本。スギ柱の月平均の出荷量も約51%増となり、同組合は「受注が急に増え、対応しきれない。注文を断るケースも出ている」とする。
 増加する県産木材の需要を受け、森林組合や製材企業などが穴水町で県内第二の木材加工・乾燥施設の設置に向け、検討を重ねている。
 玉家建設(金沢市)はスギ柱をほぼ100%石川県産にシフトした。同社は「県産の木材を使うことは、荒れた森林環境を保護し、地球温暖化の防止にも貢献する」とする。
 ニューハウス工業(同)は前年よりも、石川県産材の利用率を高めていく計画である。
 本陣住宅(同)は、家の土台に使うアテ材について能登産にする割合を高める。三年前は二割だったのを今年は八割に引き上げるという。
 アイワホーム(石川県野々市町)は、下地材を中心に県産材の利用率を向上させる。沢野建設工房(かほく市)は、吉野(奈良)や秋田、岐阜などからスギ材を安定的に確保する一方で、県産も積極的に使う。
 石川県の住宅メーカーが県産材の需要を拡大させた背景には、外国産材の急騰がある。
 住宅資材販売の加賀木材(金沢市)によると、以前は国産材のほうが割高だったが、昨年ごろから国産材の卸値は、外国産材に比べ一割ほど安くなっている。ロシア政府が決定した北洋材丸太の輸出税率アップに加え、中国やインドによる木材のおう盛な需要、石油価格の高騰に伴う木材の運送コスト増などが影響しているという。
 石川県産の木材需要が伸びる一方で、不十分な供給体制が問題点として浮かび上がる。
 木材業者などによると、県内の山林は荒れ放題なところも少なくなく、木を切り出す道や機械、人材も十分に整っておらず、「そもそも丸太の切り出し量が不足している」という。
 山林を適切に管理することは、木材を資源として活用するだけでなく、森林の持つ様々な機能を引き出すことにつながる。戦後、石川県内で植えたスギは間伐時期を迎えていることもあり、石川県木造住宅協会の村上紀夫会長(ニューハウス工業会長)は「県産材を使うことは、森林機能を再生させること。地域の発展に貢献するという『企業市民』の観点を持ち、県産材に目が向き始めた今こそ、安定供給に向けたシステムを構築したい」と話し、行政側にも働き掛けていく考えだ。