ID : 4161
公開日 : 2007年 6月22日
タイトル
松枯れ対策に光 挿し木で増殖 RITE開発 抵抗種、育成へ
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新聞名
京都新聞
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元URL.
http://www.kyoto-np.co.jp/article.php?mid=P2007062200025&genre=G1&area=K20
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元urltop:
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写真:
 
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関西文化学術研究都市の財団法人・地球環境産業技術研究機構(RITE、木津川市)などは21日、これまで困難とされてきた挿し木による松の大量増殖技術を開発した、と発表した。全国に被害が拡大している松枯れ対策として、原因となっている線虫のマツノザイセンチュウに対する抵抗力が強い松の安定的な増殖も可能といい、RITEは「松枯れ被害地の復旧などに貢献したい」としている。
 マツノザイセンチュウに強い松の増殖法としては現在、おもに種子から苗を育てる手法が取られているが、親木の特性が必ずしも遺伝するわけではないなど課題も多い。挿し木だと特性は引き継がれるものの、5センチほどの枝を「挿し穂」にして土で育てる従来の方法では、根の出る発根率がゼロから20%程度と低かったり、時間がかかるという課題があった。
 RITEは、松葉の分かれ目にある芽の元(短枝茎頂(たんしけいちょう))に植物ホルモンの1種サイトカイニンを与えて新芽を育て、松葉を挿し穂にする手法を開発。樹齢3年の若木の場合、枝に比べて、約20倍の400本もの挿し穂が得られるという。
 さらに挿し穂は栄養になる糖分を含まない培地に挿し付け、二酸化炭素濃度が大気中の3倍から5倍ある環境で栽培。光合成能力を活性化させることで、発根率が平均で35%まで向上したほか、発根までの期間も最大で5分の1に短縮できたという。技術開発は昨年6月から日本製紙と共同で進めてきた。
 今後は松枯れ対策に加え、日本三景の一つ天橋立(宮津市)での名木松の後継樹育成や海外の悪条件下でも生育できる松の大量増殖などに取り組む方針。RITE植物研究グループの太刀川寛主任研究員(41)は「発根率を今の倍にし、技術を適用できる品種も拡大していきたい」と話している。