ID : 4327
公開日 : 2007年 7月26日
タイトル
林野庁の辻長官ら気仙の林業に高い関心 住田の木工団地など視察
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新聞名
東海新報
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元URL.
http://www.tohkaishimpo.com/scripts/index_main.cgi?mode=kiji_zoom&cd=nws2720
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元urltop:
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写真:
 
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 林野庁の辻健治長官が十八、十九の二日間にわたって、住田町世田米の木工団地などを視察した。林業先進地視察として来町したもので、気仙スギやアカマツの背板を接着した集成材製造、木くずを利用した木質バイオマス発電所と先端的農業実証ハウスなどを熱心に見学。同町の官民一体となった「森林・林業日本一の町づくり」の取り組みに理解を深めた。 同町を訪れたのは辻長官をはじめ同行の林野庁職員や県職員ら約十人。一行は十八日に同町に入り、さっそく午後から木工団地(三陸木材高次加工協同組合、協同組合さんりくランバー、けせんプレカット事業協同組合)の視察に赴いた。施設関係者のほか、町の小泉きく子副町長や高橋俊一産業振興課長らが応対した。 このうち、三陸木材高次加工協同組合(佐々木英一理事長)では、町産業振興課が森林・林業日本一の町づくりの概要を説明。豊富な森林資源をもとにした木材生産やエネルギー利活用、FSC(森林管理協議会、本部・メキシコ)の森林管理認証取得などの取り組みを紹介した。 引き続き、工場に移動して気仙スギなど国産スギを使った集成材製造を見学。集合材は大きな節や割れのような木材の欠点を取り除き、製材した板(ラミナ)を乾燥させて接着剤ではり合わせ、圧力を加えるなどして作った材。地域の森林資源活用にもつながるもので、一行は職員の説明のもと完成までの過程を興味深く眺めた。 敷地内にある木質バイオマス発電所とイチゴの先端的農業実証ハウスも見学。両施設は、環境省の「環境と経済の好循環のまちモデル事業交付金」を導入している町が県内で初めて整備し、今年五月に始動したばかり。 発電所は、木工団地内から出される木くずを燃やすボイラーから出る蒸気を活用してタービンを回す仕組み。毎時最大三百五十キロワットを発電し、電力は各工場へ自給し、二酸化炭素排出量削減や光熱費節減を図っている。 実証ハウスでは発電所の排熱を利用し、町内の認定農業者が四季なりのイチゴ一万数千株を栽培。ほとんどは東京都内の洋菓子店に出荷、一部を町内の産直施設で販売中。 長官は森林資源循環の先駆的な例として、熱心にその仕組みなどを聞き、ハウス内でイチゴの生育状況にも目を細めていた。夕方にはホテル・グリーンベル高勘で食事を兼ねた懇談会にも出席。気仙や大槌などの林業、行政関係者らと意見を交わした。翌日は木工団地内のほか、陸前高田市のけせんプレカット、気仙木材加工協同組合連合会の工場視察を行い帰京。 町の一連の取り組みは、年間約六百人の視察が訪れるなど全国的に注目を集めている。同長官は「いずれも消費者の立場から生産を行っており、素晴らしいとの印象を受けた。林業分野において事業協同組合を組織しての取り組みは、地域を挙げて事業に臨めるメリットがある。国内林業の一つのモデルとなり得る」と、高く評価していた。