ID : 4563
公開日 : 2007年 8月25日
タイトル
森林を守る...山再生へ 地道活動の輪
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新聞名
読売新聞
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元URL.
http://osaka.yomiuri.co.jp/izumi/iz70826a.htm
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元urltop:
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写真:
 
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金剛生駒紀泉国定公園にあたる大阪府河内長野市南部の山地を、19人の一団が登っていきます。通称「セノ谷」。杉やヒノキの林が広がる辺りで、誰かが声を上げました。「ここでやりましょうか」
 今月初め、地元の森林ボランティア「トモロス」の活動に同行しました。目的は間伐。木々が密生している場所を探しては、一部を伐採していくのです。
 4、5人ずつに分かれて対象の木を選びます。根元が腐りかけた杉を見つけたグループはまず、ナタとノコギリで根元に切り込みを入れました。ロープをくくりつけ、みんなで引っ張ること十数分。20メートル近い大木が、メキメキッと音を立てて倒れていきます。

 トモロスが誕生したのは2006年2月。メンバー39人の多くは、市が05年秋に始めた森林ボランティアリーダー養成講座の受講生です。
 古川哲夫さん(65)もその一人。京都府出身で、幼少時、秋はマツタケ採り、冬はまき集めと、よく実家の裏山に登っていました。商社に勤め、河内長野に住んでから、地元の岩湧山(897メートル)や、金剛山(1125メートル)などで休日登山を楽しんできましたが、竹やぶが生い茂る斜面をよく目にしたといいます。
 「手が入ってない山が多いなぁ」。常々そう感じていただけに、講座開講を知り、飛びつきました。商社を退職し、日々をどう過ごしていくか、思いを巡らせていたころでした。
 間伐や枝打ちの実技も交えた4か月間の講座を終えた後、「森林保全のためこれからも活動できる場をつくりたい」と考え、府森林組合南河内支店の菊川昌樹さん(44)らに相談を持ちかけ、森林ボランティア団体の設立に至ったのです。
 河内長野は市域の7割が森林です。以前は「河内林業」の主産地でしたが、安価な輸入木材に押されて低迷が続きます。高齢化や後継者難もあって、1970年に113人を数えた市内の林業従事者は05年、25人にまで減少しました。
 人手不足で、山が手入れされずに放置され、荒廃が広がりつつあります。木々が無秩序に茂り、日光を遮るため、下草が少なく、降雨で土壌が流れやすくなりました。樹木の生育に影響するうえ、山の保水力も低下しかねません。
 トモロスはそんな現状を受けて、月2回、岩湧山を中心に間伐や枝打ちなどに取り組んでいます。メンバーのうち、23人が60~70歳代。最高齢は74歳です。定年後の「第二の人生」を意味あるものにしたいという男性が目立つそうです。
 南河内支店で事務局を引き受け、メンバーとして加わった菊川さんは「自発的に声を上げてくれた。心強い」と頼もしそうです。