ID : 4659
公開日 : 2007年 9月 7日
タイトル
中国、森林拡大の独自案提案へ CO2削減義務化に先手
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新聞名
朝日新聞
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元URL.
http://www.asahi.com/international/update/0907/TKY200709070386.html
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元urltop:
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写真:
 
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8日開幕するアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で、中国の胡錦濤(フー・チンタオ)国家主席は二酸化炭素の吸収源となる森林の面積拡大に向けた国際的な連携を提案する。中国は世界第2位の二酸化炭素排出国。排出量削減を求める国際的な要求が強まるなか、自らが強みを持つ森林分野で積極的な姿勢を打ち出すことで、排出量削減の「義務化」を巡る議論に先手を打つ狙いがあるとみられる。

主なAPEC加盟国での森林面積の年平均増減量  中国が温暖化対策を自ら国際社会に提案するのは異例。今月末から本格化する京都議定書後の次期枠組み作りでは、現在削減義務を負っていない大排出国・中国の出方が最大の焦点となっており、「森林重視」を打ち出す今回の提案が交渉の行方に影響する可能性もある。
 中国外交筋によると、胡主席は首脳会議で、「アジア太平洋持続可能な森林回復と管理ネットワーク」の設立を呼びかける。各国森林当局の連携を強化し、中国が先行する造林のノウハウなどの共有を目指す構想だ。
 首脳会議に先立って6日に開かれたAPECビジネスサミットでも、胡主席は、05年末で国土の18.2%ある中国の森林面積を10年までに20%まで高め、主要汚染物質を10%減らす方針を表明。環境分野での「積極姿勢」を打ち出した。
 中国は過去、急激な経済成長に伴う乱伐で砂漠化が進み、黄砂の大量発生や土壌流出などの被害が続出。99年に山地での耕地をやめさせて植林する「退耕還林」事業を始めるなど国家主導で造林に乗りだし、00年からの5年間の平均で毎年、九州全体に相当する約400万ヘクタールもの森林面積拡大を続けている。政府の試算によると、80~05年の造林で累計約30億6000万トンの二酸化炭素が吸収された、としている。
 中国の今回の提案はAPECのみならず、次期枠組みで国別目標達成義務化を求める欧州連合(EU)などを牽制(けんせい)する狙いもあるとみられる。中国外交筋は「科学的な試算に基づいた重要な提案で、中国が温暖化問題に消極的だという国際社会の批判を一掃したい」としている。