ID : 4702
公開日 : 2007年 9月12日
タイトル
APEC声明 温暖化対策に弾みを
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新聞名
信濃毎日新聞
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元URL.
http://www.shinmai.co.jp/news/20070912/KT070910ETI090003000022.htm
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元urltop:
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写真:
 
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地球の温暖化を食い止めるため、新たな国際的枠組みをどうつくり上げるか。国際社会は、今その生みの苦しみのなかにある。
 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が、温暖化対策を初めて主要議題に取り上げた。難航の末、特別声明「シドニー宣言」をまとめ、京都議定書に代わる2013年以降の枠組みづくりに向け、積極的に取り組む姿勢を打ち出した。
 声明骨子は(1)域内のエネルギー効率を30年までに05年比で25%以上改善する(2)森林の面積を20年までに2000万ヘクタール(本州の面積にほぼ匹敵)増やす-などだ。
 具体的な数値目標を示した意味は大きい。しかも、世界最大の温室効果ガス排出国の米国と、2位の中国が加わっての合意である。
 米国は、京都議定書から離脱したままだ。議定書は先進国に排出ガスの削減を義務づけたが、中国など途上国には課していない。そんな米中も含め、APECの全21カ国・地域が力を合わせる基盤が一応整った。今後の弾みにしたい。
 協議では、中国など途上国が経済成長を重視して数値目標に反対した。数値は拘束力のない「努力目標」だと議長国のオーストラリアが説得し、合意に達した。
 中国は、黄砂や土壌流出の対策として植林活動を強めている。声明に盛られた森林拡大は、中国の政策にも合致したものだ。
 今回の合意には、問題点や課題も少なくない。
 数値が努力目標にとどまっていることがその一つだ。掛け声倒れに終わらないか心配にもなる。
 もう一つは、温室効果ガスの削減数値そのものに踏み込んでいない点だ。省エネ技術や森林によるガス吸収だけで、温暖化対策として十分か、論議の余地がある。
 欧州連合(EU)は、京都議定書以後も排出削減目標の設定を目指している。APECとEUの考え方の対立が今後の焦点になろう。温暖化対策の実効性をあげるにはどんな形が望ましいか、知恵を絞りたい。
 日本は、来年は北海道洞爺湖サミットの議長国となる。調整力が問われる。
 6月のハイリゲンダム・サミットでは、2050年までのガス半減を「真剣に検討」する、との文言でまとまっている。洞爺湖では、検討の中身をどこまで詰められるかだ。
 日本は京都議定書で決められたガス削減目標達成のため、ねじを巻き直すべきだ。そんな取り組みが、世界各国への説得力を高める。