ID : 4773
公開日 : 2007年 9月21日
タイトル
熱帯雨林は果たして酸素の供給源か
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新聞名
JanJan
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元URL.
http://www.news.janjan.jp/living/0709/0708221143/1.php
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元urltop:
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写真:
 
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流れに逆らう天の邪鬼を気取るつもりはない。元より小子は、専門の学者でもない。だが、森林と酸素供給の関係について、以前から持っていた、素朴な疑問を提起したい。
 そもそも、こんにち問題となっている地球温暖化の因は、近代になって化石燃料である石油や石炭を人間が大量に燃やし始め、それまで安定していた大気中に、新たに二酸化炭素を排出し出したことにある。温暖化問題を考えるとき、まずこの「化石燃料」を念頭に置く必要がある。
 植物は太陽光エネルギーと水により、空気中の二酸化炭素を吸収し、炭水化物を生成し、酸素を排出する(光合成)。自然界にあって、唯一の酸素供給源であると言えよう。おそらく地球上に植物が現われる以前は、大気中の二酸化炭素はかなりの濃度で充満していたであろう。
 ところで、植物は酸素の供給源であることには間違いないが、一方でその植物を食している動物(微生物を含む)は、酸素を消費し、二酸化炭素を排出している、という事実も踏まえておく必要がある。うっそうたる熱帯雨林は、いかにも酸素を大量に供給しているようであるが、同時に、その下で生息している動物は、大量の酸素の消費者でもある。
 これは目に見える動物に限らない。肉眼では見えない微生物も同様である。微生物は、動物の排泄物、あるいは寿命の終えた動・植物を腐敗、分解、もしくは発酵させる過程において、やはり酸素を消費し二酸化炭素を排出する。
 同時にまた、植物自身も呼吸をしており、特に光合成が行われない夜間は、森林の中は確実に酸素は減り、二酸化炭素が増加している。つまり、森林は大量の二酸化炭素を吸収しているが、同時にそこで生息している動物及び植物自身の呼吸等を通じて、ほぼ同量の二酸化炭素も排出しているのである。
 これを炭素循環と言い、この繰り返しによって、大気中の酸素、二酸化炭素の濃度はほぼ一定に保たれている(カーボンニュートラル)。いや、人間が化石燃料を使いだす以前は保たれていた、というのが正しいだろう。    もし例外があるとすれば、ひとつは火山活動である。あるいはまた、特に寒帯地方において、枯死した植物が、全く腐敗せず、炭化したまま地下等に堆積される(泥炭)場合だ。この場合は、植物が二酸化炭素を吸収してつくりあげた炭素を固定するわけだから、確実に二酸化炭素は削減される。が、特に熱帯雨林の中では、微生物の働きが盛んで、最終的に分解されて二酸化炭素を排出してしまう。
 ただしこれは、あくまで森林の面積、体積が固定している場合であって、森林が増大する過程では確かに二酸化炭素量は差し引きグロスで減少し、逆に森林の減少過程では、二酸化炭素は増大する。
 従って温暖化対策としては、新規の植林は有効であり、森林破壊はマイナスである。しかし一定の面積、体積で固定している森林においては、二酸化炭素・酸素の増減はイーブンである。つまり、増減のない森林において、それ自体には温暖化対策効果がない、と言わざるを得ない。
 逆に砂漠地帯で考えてみると、植物が少ないから、酸素供給も少ない。しかしそこで生息できる動物も少ないから、酸素消費も同様に少ない。ここでも、二酸化炭素・酸素量の増減はイーブンである。ただし、砂漠の緑化過程においては、酸素の供給量は増加、逆に緑地の砂漠化は酸素の供給減となる。
【結論】  森林はそれ自体、多様な地球環境のためにも、非常に有用なファクターであることは間違いない。ただし、こと二酸化炭素問題に関しては、ニュートラルな位置にある、と言わざるを得ない。
 二酸化炭素問題の本質はあくまでも化石燃料にある